南大塚の思ひ出(感想・反省)

1. QGIS 講習のテキスト作り

私は大学では生態学を学んでいたため 測量や地理、地学などは素人ですが 空間情報を扱う GIS が得意で QGIS は ver1.7 くらいからのつきあいなので 社内外で講習会を行いました。
できるかぎり短く簡潔な文章での説明を心掛けました。
はじめは 講習スライドはシンプルに箇条書きでしたが そのスライドで他の方が講習した際 行間のつなぎの説明が私と違うなあ を思ったことがあり 口頭の文をそのままスライドと配布資料に書くようにしました。そのことにより テキストの読み上げと操作ができれば誰でも講師ができる状況を目指しました。
そのうち テキストの文字と画像をスライドに押し込める作業を無駄に感じ スライドではなく文書にすることにしました。受講者側にとっても講習後も見返せる資料としてはスライドの 4up よりも文書型のほうがいいかなと思いました。Word はフォントの統一やインデントがおかしくなったりとか注意を払う点が多くて嫌いなので LaTeX にしようと考えましたが 他の人が嫌がるかもと思い Markdown をメインにして たりないところだけ LaTeX 構文で書き それを Pandoc で LaTeX に変換することにしました。LaTeX で \section{○○○} と書くところも Markdown なら # ○○○ と書けばいいので 楽だしすっきりして視認性が高いです。
Word だと用紙サイズの変更をすると崩れがちですが LaTeX は A5 にしたり A4 にしたりと提供先に合わせてうまく変更できました。また、講習ごとに必要な章(ラスタとかレイアウトとか)を \input でピックアップすれば章番号を自動的に振ってくれます。
さらに、Office ファイルでなく テキストファイルになることで git での管理が可能になりました(push はさぼりがちでした)。
テキストを使う人によっては パワポ や Word でカスタマイズしたい人もいるかもなので そのときは Pandoc で pptx などに変換して提供しようと目論みました(もちろん Office ファイルに変換した後は図の微調整が必要ですが)。
そして いずれ epub に変換して電子書籍での販売、音声合成・テロップ作成スクリプトによる講習動画作成を目指していましたが 到達できずくちおしやでした。
しかも テキスト作成工程を Pandoc や LaTeX のスクリプトまみれにしたばかりに属人化してしまいました。
また 周囲にこの手法のよさをうまく伝えられず わざわざ謎なことをしてる人物になってしまいました。

2. 陰陽図メーカー

陰陽図(いんようず)は 地形の凹凸をとらえやすくした微地形表現図で、わかりやすくむなしい言い方をすると赤色立体図(アジ航さま)みたいなものです。
社内に陰陽図を開発したトルネコみたいな見た目の人がいらして 話を聞くうちに陰陽図の魅力がわかってきて QGIS アルゴリズムで陰陽図を試作してみたのをきっかけに 陰陽図メーカーを作ることになりました。
QGIS プラグインは QGIS のバージョンアップに弱そうなので却下して Python で GDAL, NumPy, OpenCV などのライブラリを使いました。
試行錯誤しながらコードを書いていくのは非常に楽しくドーパミンが出ました。GUI で空間データを扱うのが箸を使ってるのだとしたら CUI は手づかみしてる感覚です。ベクタであれば PostGIS が楽しいですが ラスタなら GDAL かも。
メーカーは完成したのですが それを利用しての成果品を作っている際に行き詰まり これは厳密にラスタを生成できる GRASS が必要だ… と思いながらも やりきれずでした。
でも しばらく前に ChatGPT(bing版)で遊んでたとき 陰陽図について聞くと 陰陽図メーカーの存在まで教えてくれたので少しうれしかったです。

ほかにも出張でおいしいものを食べたり 他部署・支社の方との交流も多くできて楽しかったです。
おわり

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